2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

太陽は左翼ひとり、すぱぱぱーん!vol.2

『LEFT ALONE2』上映初日の終演後に井土紀州監督、スガ秀実、花咲政之輔がやってきた。時刻は23:10ほど。ユーロスペース管理人は慌しく彼らを舞台にあげ、あからさまな時間的プレッシャーをあたえている様子。もちろん横の対談をする余裕はない。その中で…

太陽は左翼ひとり、すぱぱぱーん!vol.1

その映画はあらかじめ消去された何かを含む写真からはじまる。そこにはレーニンが演説する姿が見える。しかし演壇の横に立っていたトロツキーの姿は見えないのだ。これは、スターリン以外にレーニン後継者が生まれたかもしれなかった可能性の隠蔽である。 こ…

『郵便的不安たち♯』覚書 vol.1

大学でテクスト批評の勉強をしていた頃、幾度となく論文を課されたが、その度に負に落ちない思いにかられたことがあった。たとえばそれは<論文とは「問い」をたて、それに対する「答え」を提供するもの>という暗黙のルールに従う時である。なぜ、あらかじ…

ジャイアントボイス

おとといの事であるが、一年中で一番寒いこの時期にバイクで奥多摩に行こうなどと無謀な企てをし、結局途中で力尽きて福生で折り返すこととなった。 福生には横田基地がある。初めて訪れたが何だか異様な雰囲気だった。トイレに行きたい夢や迷子になる夢で現…

動物化するシンセミア

『シンセミア』を読み終わる。この一週間まさにシンセミア中毒に侵されていたが、ようやく打開への一縷の光がみえつつある。今回も山形県東根市神町が舞台。語り手は特定せず視点は次々に移り変わり、鼠さえもが語る目線の持ち主として登場するほど、端的に…

イム人皮

今日は水曜日。都内の映画館(の多く)は1000円ポッキリ!といことで、『パッチギ!』観に行った。群集が走る走る殴る走る殴る。坂道だとか川だとか家屋だとか場所がうまく使われ、越えるし壊す。「境界線をぶち破る!」つまりはパッチギ!(頭突き)である。…

森の下にも森がある

連休二日目は、ジャスミン茶の入った水筒とオニギリとデジカメ持って高尾山昇ってきました。 地面が雪で凍っていたので三回も尻餅つきました。 吊り橋吊り橋!

本日のプールは女湯です

これは高円寺にある、住宅も店舗も見境なく同一線上に並ぶ路地で遭遇した、ある銭湯の入り口に書かれたお知らせだ。文脈が分からない。 疑問1:銭湯にプールがあるのだろうか。 疑問2:あるとしてもその用途は浴場として使われているのか。 疑問3:だった…

晴天つぶし

アベ文庫は新潮文庫だけではなかった! 『ニッポニアニッポン』以降(以降、という序列は書籍の発行順ではなく、私が阿部作品を読んだ個人的な時間軸に基づく)、阿部和重の著作との出会いは「新潮文庫」という低価で汎出没的な出版形態による媒体が中心であ…

書店員、客と見紛う

某大型書店で勤務して半年がたつ。 書店員として訓練され、今やほぼ潤滑に役割を果たしている。 と思うのは妄想で、それほどの経験値などほぼあてにならないことが分かった。 というのも、今日は店員でありながら、公然と客の振る舞いをしてしまうという自体…

ジャンプ!ジャンプ!

何だが賞味期限を一週間も過ぎた危険なステーキ用牛肉200グラムあったのを(冷凍しているので一週間程度なら一向にきにしないのだが、生で輸送されてきたので鮮度が心配だった。ヤコブ病についてはたいした知識もないのでナメテかかっているのだが)、今日こ…

阿部が重なる

雑種犬の快楽を味わうがため、今日も阿部和重を読む。 今回は新潮文庫の『無情の世界』である。 掲載された三作品とも面白かった、喜劇だ、実際爆笑した。 『鏖』に詳細に記されるデニーズ・メニューのカロリー数値が、だんだんドラクエのHPの数値に思えてき…

アッパレヤニッポン

私を巡る数少ない友人等が薦める阿部和重の『ニッポニアニッポン』を読んだ。芥川賞をとったばかりでもある彼の作品を「今」読み語ることは少々気がひけるが(というか、あまりにも安易に話題に便乗するミーハーっぷりを暴露している居心地の悪さ)、それで…