2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『1900年』に生まれる

本日の映画はベルトリッチ『1900年』。 正直、叙事ものや歴史スペクタルみたいなものを苦手としてきた自分には少し抵抗があり、しかも5時間16分という上映時間におそれをなして今まで観るのに踏み切れなかったこの作品。だが昨日の『暗殺の森』の衝撃…

『暗殺の森』に迷い込む

ベルナルド•ベルトリッチ『暗殺の森』(原題は”Il comformista”で「順応者」という意味)を観た。 もうご飯3日間食べなくてもよい。 今なら映画と心中できる。と思えるほど興奮の境地に立たされる映画だった。 ストーリーを簡単に説明すると、幼い時に男色…

『河内山宗俊』という名の男

居酒屋のおかみの夫、河内山宗俊と用心棒の金子市之丞が、(幼なじみだった吉原の娘と心中を試みるが一人生き残ってしまった弟の賠償のため)身売りを決心する甘酒屋の娘を助けるべく奮闘するお話。16歳の原節子がみれる。私にとってはただそれだけでも観…

「人情紙風船」が山中貞雄の遺作ではチトサビシイ。

「人情紙風船」が山中貞雄の遺作ではチトサビシイ。 負け惜しみに非ず。 山中貞雄 陣中日誌(遺稿)より抜粋 この映画の公開した1937年、山中貞雄は中国へ出征し、38年7月、河南省で急性腸炎に罹り、9月17日死去。享年29歳。首吊りのエピソードからはじまる…