見えないものが見えてしまう

宮台真司の似顔絵をつくってみた

★最近自宅にmacを導入し、winとの接続をはかったり、AirMac無線LANを構築するなどでいろいろ気になりだしたのがセキュリティの問題。三菱電機子会社のPCから原子力発電所の情報がWinnyに流出した事件もあったが、このセキュリティという分野もネットリテラシーの一部として考える必要がある。


★最近ちらちら読んだネットワークセキュリティの入門書では、ファイヤーウォールなど外部に対するセキュリティ対策の他に、内部でのセキュリティ対策の必要性も示唆している。


★さっき久しぶりに”VIDEO NEWS - ニュース専門ネット局 ビデオニュース・ドットコム”をチェックしたらマル激で ちょうど「 IT社会の『ばら色の未来像』を嗤う」といのがやっていた。ゲストは三輪信雄氏 (株式会社ラック代表取締役)という情報セキュリティの専門家。


★三輪氏の会社ではデータの持ち込み持ち出しは一切禁止、HDDなどの記憶媒体も持たず、USBポートもない、入り口のないパソコンを使用しているという。データは一括して社内で保管とのこと。宮台真司が弟の例を出して三輪氏の社内を「無菌室」と比喩していた。


★ただし三輪氏いわく、どんなに外部からの侵入を防いでも内部の人間が皆完璧に信用できるわけでもなく、今度は”内側の不正”の対策をしなければならないとのこと。なので社内のサーバ内のデータをまた更にログをとるなどで監視、更にそのログの暗号化、暗号化したそれらのデータを保管する場所をまた更に増やさなければならないという。


★つまりこのセキュリティ対策では、内部に更なる内部を作り続ける(ということは外部もうまれ続ける)、入れ籠の微分が果てしなく続くのだ....


★と、きりがないので監視カメラなどのセコム的な物理的な監視もつけてしまうのだそう。更に三輪氏は、最終的にリモートコントロールによってパソコン爆破装置つけたいな、と言っていた。あぁ、入れ籠微分の最終テロル、ゼロの夢。


★これらのことが意味することは、もう当たり前の認識だが、ネットワークがもはやリアルワールドから切り離されたヴァーチャルワールドだという認識は通用しない、ということである。


★実際、私たちはネット上でたくさんの経済活動を行うなど、対面コミュニケーションなみのリアルさで動いている。だからそこでのやりとりの詳細なデータが盗まれるたりすることは、街なかでお財布盗まれたりすることと同じようなペナルティがあったりするのだ。


★便利のような不便。自由と利便性は共存するのかな。


★パソコンにはどんなアクションでも必ずその痕跡が残ってしまう。データベース化されてしまうこれらは犯罪の敷居を低くしていると宮台は語る。


★じゃあ、匿名にするしかないのかな。
三輪氏によると、wwwには現在2つの流れがあって
1、すべてのトレースを暗号化した極めて匿名性の高い別のネットワークの構築。(個人が限定されない意味で自由だが、常に危険にさらされている)
2、匿名性を排し、データを一局管理し、監視されたネットワークの構築。(個人が限定されている意味で拘束的だが、安全性は高い)


★上の二極分化の毛色は2ちゃんねるMIXIを例にしても考えられる。(現在、2ちゃんねるはIPログをとっているようなので匿名ではなく、例としてはあまりふさわしくないかも。まあ一般のユーザーはもちろんIPアドレスみれないし、この例は相対的にということで。(ised@glocom : 情報社会の倫理と設計についての学際的研究でもこの両者はよく比較されてるみたいだし。)


★ネットってどこでもなんでも情報得られるから”自由”、と思いきや、一局集中的な公権力の介入を頼らないと安全性が得られないので、どっちか選べよ、ということなんだろうかな。最終的にはやっぱりセコムなんでしょ?今のところは。


★無菌のための秩序か、匿名のための無秩序か。でも、無菌といっても潔癖による爆破•曝露という決定的な危険からは回避できないしね。